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白髪染めで頭皮がヒリつく方へ、ノンジアミン・ハーブ染料という選択肢
以前はしみなかった白髪染めで頭皮がヒリつくようになった方に向けて、ジアミンと一般的な白髪染めの関係、ノンジアミンの香草カラー・ヘナ・藍染の位置づけ、パッチテストや皮膚科相談の進め方をまとめています。
頭皮がヒリつくようになった時期のご相談で伺う内容
「前はなんともなかったのに、この一年くらいで、白髪染めのあと頭皮がピリピリするようになって」というご相談を受けることがあります。40 代後半から 50 代の方に多いように感じます。
長年、同じ美容室で同じ薬剤を使い続けてきた方でも、ある時期を境に肌の反応が変わることがあります。ホルモンの揺らぎがある時期や、体調の変化、季節の変わり目に重なる方もいらっしゃいます。ご本人としては「急に、なぜ」という感覚のことが多いです。
わたしが最初に伺うのは、いつごろから、どんな症状が出るのか、というところです。染めているあいだにしみたのか、洗い流したあとに赤みが残ったのか、翌日以降にかゆみが続いたのか。細かいところを聞かせていただくことで、次にどうしたらいいかの手がかりが見えてきます。
「もう染められない体になってしまったんでしょうか」と、ご心配そうにお話しくださる方もいらっしゃいます。そう決めつけずに、いまの頭皮の状態から、できることを一緒に考えていきます。
ジアミン(PPD)と一般的な白髪染めの関係
美容室でよく使われる白髪染めは、酸化染料という染め方の仲間です。そのなかで、パラフェニレンジアミン、通称ジアミン、PPD と呼ばれる成分が発色の中心を担っています。
しっかりと濃く、色持ちのよい仕上がりになる一方で、体質によってはアレルギー反応の原因になり得ることが知られています。ジアミンは繰り返し肌に触れることで、あるときから反応が出はじめる場合がある、というのが少しやっかいなところです。
昨日まで平気でも、明日から反応するかもしれない。反対に、若い頃はしみたのに、しばらく染めるのをやめていたら落ち着いた、という方もいらっしゃいます。反応の出方には個人差がありますので、いまの症状と、これまでの染めてきた歴史を合わせてお話を聞かせていただきます。
頭皮の状態と染料の相性の見立て方
ヒリつきや赤みの背景には、染料そのものの影響と、頭皮のバリア機能の低下が重なっていることが少なくないように感じます。
乾燥が強くなっていたり、フケっぽさが出ていたり、湿疹のような小さな赤みが混じっていたり。頭皮を近くで見せていただくと、そのときの状態が少し読み取れます。同じ「ヒリつき」でも、乾燥が主の方と、染料そのものへの反応が疑われる方では、次にとる方法が変わってきます。
カウンセリングで伺うのは、こんなことです。
- これまでどんな白髪染めを、どのくらいの周期で続けてこられたか
- 染めているときにしみる場所は、毎回同じか、生え際や耳のうしろに集中していないか
- シャンプーや育毛剤を変えたタイミングと、症状が出はじめた時期に重なりはないか
染料を変えることが答えのときもあれば、しばらく染めるのをお休みして頭皮を整える時間をとることが先のときもあります。そのお話も、そのときの状態を見ながらお伝えしています。
ノンジアミンの香草カラー、ヘナ、藍染の位置づけ
ジアミンによる反応が疑われる方には、ノンジアミンのメニューを一緒に考えていきます。うちの店では、香草カラー、ヘナ、藍染の 3 つを組み合わせて扱っています。
香草カラーは、ハーブや植物由来の成分をベースにした染料で、ジアミンを含まないタイプがあります。白髪の染まり方は一般的な白髪染めよりゆるやかですが、頭皮への刺激を抑えながら、少しずつ色を重ねていける染め方です。
ヘナは、インド原産のミソハギ科の植物、ヘンナの葉を乾燥させて粉にしたものです。オレンジ寄りの赤みのある色に染まります。単色だと明るく見えることがありますので、暗めのトーンにしたい方には藍を重ねていきます。
藍染は、藍の葉を使った染料です。青の要素をヘナのオレンジに重ねることで、落ち着いた茶や、黒に近い色味に近づけていくことができます。1 回で仕上げるより、時間をおいて重ねていくほうが、深みのある色に落ち着いていく染料です。
「ヘナは染まらない」「時間がかかりすぎる」というお話を伺うこともあります。相性はたしかにあります。ただ、ジアミンの反応が出てしまった方にとっては、頭皮を落ち着かせながら白髪を隠していける方法として、ゆっくり付き合っていく価値があると感じています。
パッチテスト(48 時間前)をおすすめしている理由
新しい染料を使うとき、あるいは、しばらく染めていなかった方に久しぶりに使うとき、わたしは 48 時間前のパッチテストをおすすめしています。
腕の内側や耳のうしろに、実際に使う薬剤を少量つけていただき、そのまま 48 時間ほど様子を見てもらいます。赤み、かゆみ、水ぶくれのような反応が出ないかを確かめる、地味ですが大事な手順です。
「面倒じゃないですか」と聞かれることもあります。たしかに、染めたい日の 2 日前に一度来ていただくのは、ひと手間かかります。それでも、頭皮全体に薬剤を塗ってから反応が出るよりは、腕で先に確かめておくほうが、ご本人にとってもわたしにとっても安心です。
過去に反応が出た方はもちろんですが、これまで大丈夫だった方でも、体調や年齢の変化で反応の出方が変わることがあります。時間をかけて確かめる価値がある手順だと感じています。
皮膚科での相談を並行して考える場面
美容室でできることには、はっきりと線があります。
染めたあとに赤みや水ぶくれが強く出た方、いくつかの染料を試しても落ち着かない方、湿疹が広がってしまった方については、皮膚科でのご相談を並行して考えていただくよう、お伝えしています。
皮膚科では、パッチテストのなかでも、より詳しくアレルギー物質を調べるものがあると伺います。ジアミンにだけ反応するのか、ほかの成分にも反応があるのか、はっきりさせておくと、そのあとの染め方の選び方も変わってきます。
わたしの役割は、判断そのものを引き受けることではなく、気になる方に「一度、皮膚科で見てもらうと安心ですね」とお伝えすることだと考えています。医療的なことは、医療の場でしっかり調べていただくのが、遠回りに見えて近道のように感じます。
カウンセリングで伺うこと、初回の進め方
初めての方には、その日にすぐ染めはじめるのではなく、頭皮と髪の状態を見せていただく時間をとります。
これまで使ってきた白髪染めのこと、しみるようになった時期、どのくらいの周期で染めていきたいか、色の好み、白髪の量、日々のシャンプーやケアのこと。急がずに聞かせていただきます。ご本人が話しながら「そういえば、あのころから」と思い出されることもあり、その時間そのものが手がかりになります。
香草カラーやヘナに切り替えていく方の場合は、いまの髪色との兼ね合いで、最初の1回では思うような色に落ち着かないことがあります。半年から一年、少しずつ色を重ねていくつもりでいらっしゃると、無理がありません。
「早く決めなくてもいいんですよ」とお伝えしています。頭皮がヒリつくままの状態で、急いで染料を選ぶ必要はありません。落ち着いてから、いまの自分の頭皮と髪に合う方法を、一緒に見つけていきます。
うちの店は柳井市南町の小さな一軒です。頭皮のことで悩まれている方は、遠慮なくお話を聞かせにいらしてください。染めるかどうかを、その日のうちに決めていただかなくても大丈夫です。