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オーガニックカラーとボタニカルカラー、香草カラーとの違い
白髪染めの現場でよく耳にするオーガニックカラーとボタニカルカラーという言葉の使われかたと成分の見かた、香草カラーとの位置づけの違いを、店頭でのやりとりを交えて書いています。
「オーガニックカラーってあるじゃない、あれとヘナは同じもの」と、席に座ってから話してくださる方がいます。同じような響きの言葉が、白髪染めのまわりにはいくつもあります。オーガニック、ボタニカル、ハーブ、天然由来。ひとつずつ違うものなのですが、店頭で並んでいるのを見ただけでは、なかなか区別がつきません。わたしも、はじめてこの仕事に入ったころは似たように感じていました。
「オーガニック」「ボタニカル」の言葉の使われかた
先にお伝えしたいのは、「オーガニックカラー」「ボタニカルカラー」という呼びかたに、はっきりした法律上の決まりがないということです。食品のオーガニック認証のような制度が、ヘアカラーには整っていません。ですからメーカーが独自にその言葉を選んで、商品名に添えていることがほとんどです。
多くの場合、「オーガニックカラー」と呼ばれているものは、ベースがふつうのアルカリカラー、つまり化学染料のカラー剤です。そこに、有機栽培のハーブオイルや植物エキスをいくらか配合してあります。染めるはたらきそのものは化学染料が担っていて、植物成分は主に髪と頭皮への感触を整える役割です。
「ボタニカルカラー」も、考えかたはよく似ています。植物由来の成分を含んでいます、という意味合いで使われることが多い言葉です。ジアミンが入っているものもあれば、入っていないものもあります。名前だけを見て、ノンジアミンだと決めてしまうと、思っていたのと違った、ということが起きます。
実際の成分の見方
わたしがお客様と話していて大事だと感じるのは、名前より裏面の成分表示です。染めるはたらきの中心になる成分が何なのか、そこを見ると輪郭がはっきりします。
パラフェニレンジアミン、トルエン 2,5 ジアミン、といった名前が入っていれば、それはジアミン系の化学染料です。オーガニックと書いてあっても、この一行があるかどうかで、頭皮への触れかたはずいぶん違います。以前に染みた経験がある方は、ここを一緒に見ていただくことがあります。
反対に、ヘンナ、インディゴ、アワ、といった植物名がずらりと並んでいて、ジアミン系の名前が見当たらないものは、天然染料に近い設計です。染まる仕組みも、色みの出かたも、化学染料とは別のものになります。
「オーガニックだから頭皮にやさしい」と決めてしまう前に、この一枚を確認する時間を持てると、選び間違いが減るように感じます。店頭で難しければ、写真に撮って持ってきていただいても構いません。
香草カラーとの位置づけ
香草カラーは、ヘナと藍、そして数種類のアーユルヴェーダのハーブを組み合わせた染めかたです。染めるはたらきそのものを植物が担っていて、化学染料は入っていません。ですから、オーガニックカラーやボタニカルカラーとは、そもそも立ち位置が違います。
呼びかたが似ているので混ざりやすいのですが、「植物成分を配合したカラー剤」と「植物そのもので染めるカラー」は、別のものと捉えていただいたほうが、話が通じやすくなります。前者は化学染料の一種、後者は天然染料の一種、というふうに整理しています。
色みの自由度や、染めにかかる時間も、それぞれ違います。香草カラーは明るい色にはできませんし、時間もゆっくりかかります。そのかわり、頭皮のしみる感覚が出にくい方が多く、続けているうちに髪のコシが戻ってきたと伺うことがあります。オーガニックカラーの手軽さと、香草カラーの静けさは、比べるものというより、それぞれの居場所があるものだと感じています。
アオイヘアーでは、お客様の髪と頭皮を見せていただいてから、その日どちらが合うかを一緒に考えます。「オーガニックのつもりで長く続けてきたけれど、最近しみるようになった」と話してくださる方には、成分表を見ながら、香草カラーに切り替える相談をすることもあります。名前の印象で決めるより、いまの頭皮の声を先に聞く。そのほうが、これから先の白髪染めが長く続けやすくなるように思います。
気になる症状が出ている方は、皮膚科でのご相談も並行してみてください。染料の話は、そのうえで落ち着いて選べることが多いです。