TECHNIQUE

過酸化水素を使わないカラー、色持ちの実際

過酸化水素を使わない白髪染めは、一般的なカラーと色の入り方も持ち方も違います。染料の役割、髪と頭皮の体感の変化、通うペースの整え方まで、うちの店で伝えていることをまとめました。

店主 小野澤 祥子

過酸化水素の役割

白髪染めをすると翌朝から色が抜け始める気がする、というお声を伺うことがあります。ドラッグストアで買った染毛剤でも、美容室で染めてもらった仕上がりでも、なぜかそうなる、と。

一般的な白髪染めには、過酸化水素という薬剤がほぼ必ず入っています。役割は2つあります。ひとつは、髪の内部にある元々のメラニン色素を分解して、色を明るく見せること。もうひとつは、後から入れる染料の発色を助けることです。

つまり、白髪をしっかり染めて色を長持ちさせるために、髪の内部を一度開いて薬剤を通すという工程が、どうしても入ります。この開く力が強いほど、色は入りやすく、明るくもしやすい。けれど、髪自体の負担も少しずつ積み重なっていくように感じます。

使わないことによる色持ちの違い

わたしがふだんお伝えしているのは、過酸化水素を使わないカラーは、使うものと同じ色持ちにはならない、ということです。ここは正直にお話ししないと、後で「思っていたのと違いました」となってしまうので。

ヘナや藍染、香草カラーといったノンジアミンのカラーは、髪の表面と内部の浅いところに色素を重ねていくイメージです。過酸化水素で無理に色を抜かないので、染めた直後は落ち着いた発色になります。しっかり黒く沈むというより、光の当たり方でほんのり赤みや緑みが揺れる、そんな色合いです。

色の持ちですが、最初の 2 週間ほどは驚くほど変わらないと伺います。むしろ、回数を重ねるうちに髪へ色素が積もっていって、根元だけ染めているのに毛先まで色が乗ってくるように見える方もいらっしゃいます。ただ、シャンプーのたびに少しずつ色が沈んでいくので、鮮やかさが欲しい方には物足りなく感じるかもしれません。

一方で、頭皮の赤みやしみる感覚が減ったと感じる方は多いです。「染めた日の夜がラクになった」と伺うことがあります。色持ちの数字ではなく、この体感の違いを取りに来られる方が、うちの店にはよくいらっしゃるように思います。

通うペースへの影響

過酸化水素を使わないカラーに切り替えると、通うペースをどう考えたらいいのか、というご相談もよくいただきます。

これまで 4 週間に一度染めていた方の場合、根元の白髪が伸びてくる速さは同じなので、白髪を隠したい気持ちからは、間隔をぐっと空けるのは難しいことが多いように感じます。とはいえ、染料自体が髪に積もっていくので、2 回目、3 回目と重ねるうちに、根元と毛先の境目が少し目立ちにくくなってきます。

わたしが今お伝えしているのは、最初の 2〜3 回は 4 週間ペースで色を育てていって、そこから 5 週、6 週と少しずつ間隔を伸ばしていく進め方です。頭皮を休ませたい気持ちと、白髪の伸びが気になる気持ち、その両方を天秤にかけながら、その方の生活のリズムに合わせていきます。

色持ちの「持ち」を、色の鮮やかさで測るのか、頭皮のラクさで測るのか。ここが揃うと、通う間隔も自然と決まってくるように思います。もし今のカラーで、染めた翌週から頭皮のかゆみや色抜けの早さが気になっているようでしたら、一度カウンセリングでお話を伺えたらうれしいです。