TECHNIQUE

ヘナで髪にツヤが出る理由を、店主が説明します

ヘナで髪にツヤが出るのは、ローソン色素がケラチンと結びついて表面を整えるためです。1回目のキシみから、通ううちに変わる手触り、白髪部分の見え方、湿気時期の広がりが落ち着く感覚まで書きます。

店主 小野澤 祥子

「ヘナを始めてから、髪がツヤっとしてきた気がします」。うちの店でも、続けてくださっているお客様から時々そんなお声を伺います。ドライヤーで乾かしたあと、光の当たり方が前と違うのだそうです。

ヘナは色を入れる染料としてご紹介することが多いのですが、実際に通ってくださる方の変化を見ていると、「ツヤ」の部分に気づく方がわりといらっしゃいます。今日はそのからくりを、なるべく手触りの言葉で書いてみます。

ヘナが髪をコーティングする仕組み

ヘナの粉に含まれるローソンという色素が、髪の主成分であるケラチン(たんぱく質)と結びつきます。一般的なアルカリカラーはキューティクルを少し開いて内側で色を作りますが、ヘナは違います。髪の表面にじわじわと吸着していくので、内側をこじ開ける必要がありません。

このとき色素が、キューティクルの浮きや小さな欠けをなだらかにするように働いてくれます。表面が均されると、光が乱反射せずに、素直に返ってくる。これが「ツヤが出た気がする」の正体だと、わたしは感じています。

染料と同時に、髪の外側に薄い層をまとわせるようなイメージ。だから染めた直後は、指どおりの重心が少し変わったと感じる方が多いです。

続けるほど整っていく理由

初めてヘナを試される方には、「1 回目はキシっと感じるかもしれません」と先にお伝えしています。表面をコーティングし始めた段階で、髪がまだヘナに慣れていないので、乾いたときにぎゅっとした手触りになる方がいらっしゃるのです。

これが 2 回、3 回と重ねるうちに、なだらかに変わってきます。回を重ねるほど、色素が髪の一本一本を均等に包んでいくので、傷みやすい毛先までツヤが伸びていく感じ。「まとまりが出てきた」というお声を伺うのは、たいてい 3 回目以降です。

白髪の部分にも、同じようにコーティングが働きます。白髪はもともとキューティクルが乱れやすいのですが、ヘナが重なるとその表面が整い、光を返しやすい状態になっていきます。染めた直後の主張のあるオレンジが落ち着いた頃、「白髪が伸びてきても、以前ほど目立たない」と感じてくださる方がいるのは、この積み重ねの効果だと思います。

手触りの変化について

ヘナのツヤは、しっとりというより、ハリコシに近い手触りです。トリートメントを重ねたときの、しっとり重たくなる感触とはちょっと違います。髪一本一本に軽く芯が入って、根元がふわっと立ち上がる方向に変わっていく方が多いです。

猫っ毛でぺたんとしてしまう方には、この変化が扱いやすさにつながることがあります。「朝、乾かしただけでいつもより形が決まる」というお声も伺います。反対に、もともと剛毛でごわつきやすい方は、最初の数回は少し重めに感じるかもしれません。そのあたりは、様子を見ながら藍染を重ねる比率や、放置時間で調整していきます。

湿度の高い時期の広がりも、ヘナを続けているうちに落ち着いてくる方が多いように感じます。表面が整っているぶん、外の湿気を吸い込みにくくなるのだと思います。梅雨時期に「今年はいつもの膨らみが軽い気がする」と伺うと、こちらも嬉しくなります。

ヘナのツヤは、その日だけの艶やかさではなく、通うたびに少しずつ育っていく艶です。焦らずに続けていただいたほうが、髪と頭皮の両方が落ち着いた場所に着地していきます。気になることがあれば、次にご来店いただいたときにでも、髪の様子を一緒に見ながら聞かせてください。