AGE
白髪染めで髪がパサつくときの、家でできること
白髪染めのあとに髪がパサつく理由を、髪と頭皮の変化からたどりながら、家でできるシャンプーの選び方、タオルドライ、ドライヤーの当て方まで、店で伝えている内容に沿って書いた読み物です。
カラー後の髪のパサつきの原因
染めた翌日から髪がなんだかゴワつく、指どおりが悪くなった、と鏡の前でため息をつくお客様の姿を、うちの店でもよく拝見します。「染めるたびにパサパサになる気がして怖いんですよ」と、次のご予約の電話で少し声のトーンが下がっているとき、わたしは申し訳ない気持ちと同時に、家でのケアの話がゆっくりできたらいいなと思っています。
白髪染めというのは、髪の内側に色を入れるために、いったん髪の表面をひらいて薬剤を届けるしくみになっています。そのぶん、染め終わったあとの髪はどうしても水分をためこみにくい状態からのスタートになります。ここが、色は入ったはずなのに触った感じが硬い、あるいはスカスカに感じてしまう理由のひとつだと感じています。
さらに 40 代を過ぎるあたりから、髪そのものが以前より細くなったり、頭皮からの皮脂の出方が変わってきたりします。若いころなら 1 日で戻ってきた油分やうるおいが、今は 2、3 日かけてゆっくり戻る感覚に近い。そこにカラーが重なるので、染めた直後のパサつきが一時的なもので終わらず、しばらく続いているように感じてしまうのだと思います。
季節の影響も無視できません。夏の紫外線や冷房、冬の乾燥した空気は、それだけで髪の水分をうばっていきます。そこに白髪染めが乗るので、「梅雨明けにいつも髪がゴワつく」「暖房を入れ始めるとまとまらない」と伺うことがよくあります。染料の強さだけの問題ではなく、髪が置かれている環境の影響も大きいのだろうな、と感じています。
家でのシャンプーの選び方
パサつきが気になり始めたときに、いちばん見直しやすいのはシャンプーだと思っています。市販のものが悪い、というつもりはまったくありません。ただ、洗浄力の強いタイプは、白髪染めのあとの髪にはすこし刺激が強く出やすいのです。
洗浄成分のところに「ラウレス硫酸」「ラウリル硫酸」と書かれているものは、頭皮の汗や皮脂をよく落としてくれるかわりに、うるおいごと持っていってしまう傾向があります。カラー直後はそのくらいでちょうどいいと感じる方もいらっしゃいますが、パサつきが続くタイプの方には、少し優しめのものに切り替えてみていただくことが多いです。
うちの店で「よかったら試してみてください」とお話しするのは、アミノ酸系と呼ばれる洗浄成分のシャンプーです。パッケージの裏に「ココイル〜」「ラウロイル〜」といった表示があるものが目安になります。泡立ちは控えめですが、頭皮のうるおいを残しながら洗えるので、染めた翌日以降のゴワつきが落ち着いてくる方がいらっしゃいます。
洗う回数についても、少しだけお伝えしたいことがあります。「毎日しっかり洗わないと気持ち悪い」というお声もあれば、「ここのところ頭皮がつっぱるので 1 日おきにしています」というお声も伺います。どちらが正解ということはなく、頭皮を触ったときのつっぱり感と、翌朝のべたつきのちょうど間くらいを探すのが、髪への負担がいちばん少ないように感じます。頭皮に赤みや強い痒みが残るときは、皮膚科でのご相談も選んでいただいていいと思います。
タオルドライと乾かし方のコツ
シャンプーを変えても、そのあとの水分の抜き方でパサつきの度合いはずいぶん変わってきます。ここは、うちの店でも施術のあとに少しだけ実演しながらお伝えしている部分です。
いちばん気にしていただきたいのは、タオルでゴシゴシ拭かないところです。濡れた髪はキューティクルがひらいたやわらかい状態にあります。そこを繊維でこすってしまうと、せっかく入った色も抜けやすくなりますし、表面に細かい傷ができてパサついて見える原因になります。タオルを頭にかぶせて、両手で押さえるように水分を吸い取る、それだけで十分です。
ドライヤーは、根元から乾かしていくのが基本になります。毛先から乾かすと、根元に残った水分が下に落ちてきて、乾かしても乾かしても終わらない、という感覚になりがちです。手ぐしで頭皮に風を通しながら、根元 7 割、中間 2 割、毛先 1 割くらいの意識で当てていきます。
乾き終わりに、冷風を 20 秒ほど当てていただくと、髪の表面がきゅっと落ち着いて、翌朝のまとまりが変わってきます。「冷風なんて使ったことがなかったです」と伺うことも多いのですが、これだけで一日のツヤ感がちがう、と喜んでくださる方がいらっしゃいます。
香草カラーやヘナで染めた日も、この乾かし方は同じです。むしろヘナは乾かし方でツヤ感が大きく変わるので、家に帰られたあとの一手間として覚えておいていただけるとうれしいです。パサつきに悩んでいらしたお客様が、次にご来店くださったときに「シャンプーを変えて、根元から乾かすようにしただけで、だいぶ違いました」とおっしゃってくださると、わたしもほっとします。
染料や施術の話はもちろん大切ですが、家で過ごす日々のほうがずっと長いものです。染めたあとの髪と頭皮を、家でどう休ませてあげるか。そこに少しだけ気を向けていただけると、白髪染めとの付き合いかたが、今より楽になっていくように思います。