AGE
40 代のはじめての本格的な白髪染めで気をつけたいこと
40 代ではじめて本格的な白髪染めを始める方に向けて、この時期に変わる髪と頭皮のこと、頻度と方法の見直しどころ、ジアミンを含まない染料の位置づけを、店での日々の会話をもとに整理した読み物です。
40 代で白髪染めを本格化する時期の変化
30 代までは、こめかみに数本、分け目の奥にちらほら、という程度だった白髪が、40 代に入ったあたりから急に「隠さないとまずいかも」というくらいに増えてきた、というお話をよく伺います。うちの店にご相談にいらっしゃる方でも、この時期にはじめて美容室で本格的に白髪染めを始めるという方は少なくありません。
それまでは、見つけたら抜いていた、根元だけドラッグストアで買ったカラー剤で隠していた、白髪ぼかしのマスカラで乗り切っていた、というふうに、部分的な対処でなんとかしてこられた方が多いです。それが、そろそろ全体を染めないと追いつかなくなってきたと感じる時期が、40 代のどこかでやってきます。
わたし自身も 40 代の頃、洗面所の鏡で自分の分け目の白髪が急に気になりだしたのを覚えています。仕事の途中でふと鏡を見て、あれ、と思う瞬間が増えていくのです。似たような感覚を、お客様のお話の中でしばしば伺います。
はじめて本格的に染めるとなると、色はどうしよう、頻度はどのくらいがいいのだろう、頭皮は大丈夫かしら、と気になることがいっぺんに押し寄せてきます。ここからは、その頃に一度立ち止まって考えたいことを、少しずつお話ししてみます。
頻度と方法の選び方
はじめての本格的な白髪染めで悩ましいのが、次に染めるまでの間隔です。染めた直後はきれいに整っているのですが、根元が伸びてくると 1 センチ、2 センチと白い部分が目立ちはじめます。ここで「早く染め直したい」となるか、「もう少し粘ろう」となるかで、その後の頭皮への負担がずいぶん変わってきます。
40 代のはじめの時期は、白髪の量そのものはまだそこまで多くない方も多いです。だからこそ、いきなり「毎月、頭のてっぺんから毛先まで全体染め」というリズムに入ってしまうと、必要以上に薬剤が肌に触れることになります。うちの店でお伝えすることが多いのは、伸びてきた根元だけを染める、いわゆるリタッチという方法です。
根元だけに薬剤をのせて、毛先には触れずに済ませる。全体の色が退色してきたときだけ、毛先までなじませる。この組み立てで進めると、頭皮への負担も、髪の毛先へのダメージも、ずっと軽く済みます。3、4 回のうち 1 回だけ全体を、あとはリタッチだけ、というリズムを組む方もいらっしゃいます。
セルフカラーとの付き合い方も、この時期に一度考えてみたいところです。時間が取れない、費用を抑えたい、というご事情はよくわかります。ただ、はじめての本格的な白髪染めをセルフでいきなり始めてしまうと、薬剤の量や置き時間の判断がむずかしく、頭皮にのった薬剤が長く残ってしまうこともあります。1 回目は美容室で状態を見てもらい、あいだの期間はご自宅で根元だけ、という組み合わせを取る方もいらっしゃいます。
頭皮への負担を減らす染料の考え方
40 代ではじめて本格的な白髪染めを始める方に、わたしがいちばんお伝えしたいのは、「これから 10 年、20 年続けていくものだ」という視点です。今回 1 回で全部が決まるわけではないのですが、この時期の染めかたが、50 代、60 代の頭皮の状態にゆっくり効いてきます。
美容室でよく使われるジアミンを含んだ酸化染料は、しっかり染まって色持ちがよい反面、繰り返し使ううちに肌の反応が変わってくる方がいらっしゃいます。20 代、30 代の頃はなんともなかったのに、40 代後半でしみるようになった、というお話は少なくありません。今しみていなくても、そのリスクは頭のすみに置いておいてよいと感じています。
そのうえで持っておきたいのが、ジアミンを含まない染料の使い道です。うちの店で扱っている香草カラーは、ハーブと少量の染料を組み合わせた染めかたで、白髪をしっかり暗く染めたい方にも合わせやすいです。ヘナは草木そのものの色素で染めていく方法で、髪の 1 本 1 本にコシが戻ったように感じる方が多いです。藍染は、ヘナと重ねることで深い色合いに寄せていくことができます。
はじめから全部をハーブ由来に切り替える必要はありません。今の髪の状態、頭皮の状態、なりたい色味、通える頻度を組み合わせて、そのときに合う染め方を選んでいきます。染めた翌日に頭皮に違和感があるか、痒みが続かないか、そんな小さなサインを自分の中で観察できるようになると、これから先の白髪染めがずっと落ち着いたものになっていきます。もし染めた翌日以降に赤みや強い痒みが続くようであれば、皮膚科でのご相談も合わせていただくと安心です。
40 代のはじめの一度目を、どんな染料で、どのくらいの頻度で、どこまで染めるか。そこを落ち着いて組み立てられると、そのあとの 10 年がずいぶん楽になります。うちの店では染める前のご相談だけでも受けていますので、決めきれない段階で来ていただくことも大歓迎です。